ミルクの使用期限の根拠を探してみた。あと母乳の保存期間もついでに。

 日米の粉ミルクをめぐる話。

いろいろ調べだすと面白くなっちゃって。でも今日で終わりにしたい。他の話が書けない。

親友の持ってたアメリカの粉ミルクのパッケージの説明書きが衝撃すぎて、いろいろ食いついて質問ぜめにしたもんだから(いつもゴメンね、丁寧に答えてくれて本当に感謝してる)、親友がアメリカに帰国して買い物に行ったときに、現地の粉ミルクの写真をいくつか撮って送ってくれたんだ。

で、送ってくれた液体ミルクの写真をのせるね。

 

なんと946mLの大ボトルだ。3日以内に使い切るように注意書きがある。さらに、その下のStorageのとこ、太字の48hoursのとこの記述に注目してほしいんだけど、

「哺乳瓶に移したものは、冷蔵庫に入れて保管し、48時間以内に赤ちゃんに与えること」って(わざわざ太字で)書いてあるんだ。

このボトル自体の開封後の使用期限が3日で、清潔な哺乳瓶に小分けした場合、その小分けした哺乳瓶内の液体ミルクは48時間以内に使ってください、ってわざわざ書いてある。

これ日本的な感覚(?)でみると不思議だ。

何がフシギかって、「開封後のこのボトルは3日以内」「でも哺乳瓶に小分けした場合は48時間」って、逐一こまかく書いてあるわりに、提示されてる期間が3日とか48時間とか、比較的長いからだ。この説明で伝わるかな・・・?

つまり何が想定されるかって、

「ちゃんとこの保存期間(3日間とか48時間とか)は大丈夫、っていう実験データがどこかにあるんじゃないかな」ってこと。そうじゃないとこんな長い期間の保管を明確にOKなんてかけないはず。

日本なら「開封後は冷蔵庫に入れ、賞味期限にかかわらずできるだけお早めにお召し上がりください」っていう記述はよく見るけど、

「開封後3日以内にお飲みください。コップに注いだものは48時間以内にお飲みください。」なんて記述はいまだかつて見たことない。

 

ミルクの使用期限の根拠 

で、ちょっと調べちゃった。そしたらメーカーのホームページに、引用元がちゃんと載ってた。

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https://similac.ca/en/faqより

リンク先はこちら↓

https://www.canada.ca/en/health-canada/services/milk-infant-formula/preparing-handling-powdered-infant-formula.html

https://www.who.int/foodsafety/publications/micro/pif_guidelines.pdf

 

 ちゃんと一般人も見られるよう、参考文献にリンクが貼られてるのがさすが。

ちなみに日本のミルクメーカーのホームページも探したけど、せいぜいがこの記述止まりだ(見落としてたらごめんなさい。少なくともぱっと見てわかりやすいところには全然書いていなかった。)

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https://ssl.hagukumi.ne.jp/CGI/qa/search.cgiより

WHOのガイドラインをもとに厚労省がなんやかんや言ってるのね日本は。このWHOのガイドラインが先のリンクのものだと思われる(ちゃんと参照元のせてほしいよ日本も)。

このWHOのガイドライン見てみるとたしかに、

In general, sterile liquid infant formula is recommended for infants at the highest risk of infection. Where sterile liquid infant formula is not available, preparation of PIF with water at a temperature of no less than 70 °C dramatically reduces the risk. Minimizing the time from preparation to consumption also reduces the risk, as does storage of prepared feed at temperatures no higher than 5 °C.

 て記述がある。70℃以上のお湯で粉ミルク作ったら感染の危険性は超低くなるよ、って確かに書いてる。厚労省が言ってるのはこのことね。ふむふむ。

そのあとに書いてる「5℃以下での保管も安全」っていう趣旨の記述もここにある。アメリカのミルクが冷蔵保管OKと書いてるのもここに根拠がありそうだ。日本では完全にスルーされてるけど。

あと話はそれるけど、日本のミルクは栄養素が壊れる前提で多めにいれてあるみたいだね。対してアメリカのミルクは「栄養が壊れるからお水で作ってね」ってかいてあるんだ。

 

で肝心の液体ミルクの使用期限だけど、WHOのガイドラインに「24時間以内」っていうのは何回も書いてある。けっこう指示が細かい。

  1. Follow steps 1 to 7 of Section 3.1.2. If using feeding cups, a batch of formula should be prepared in a clean, sterile jar that is no larger than 1 litre, with a lid. The prepared PIF can be refrigerated and dispensed into cups as needed.
  2. Place cooled feeds in a refrigerator. The temperature of the refrigerator should be no higher than 5 °C.
  3. Feeds can be stored in the refrigerator for up to 24 hours.

蓋付きの、容積が1リットル以下の容器で作れとか、作ったあとに小分けはしてもいいとか、5℃以上はダメだとか。で、この条件なら24時間OK!ってちゃんと書いてある。

けど3日間とか48時間のデータはない。まあ当たり前か。

たぶんこれは液体ミルクの会社が国の衛生基準で定められた方法で液体ミルクを殺菌してて、(日本の牛乳が125℃2秒とかで殺菌されてるのと同じようなイメージだ)そのミルクを使って独自に社内試験をやった結果を書いてるんだろうね。社内のどこかに生データが置いてあるんだねきっと。

っていうのが調べてわかったこと&考えたこと。

まとまりがなくなっちゃったのでまあ役立ちそうな話だけ最後にまとめて終わりにすると、WHOのガイドラインで、

  • ミルクから感染する恐れのある菌は、Enterobacter sakazakii(サカザキ菌)とSalmonella enterica(サルモネラ菌)。
  • 70℃以上で調乳すれば感染リスクは低い
  • 調乳済みのミルクも、5℃以下、24時間以内の保存なら感染リスクは低い(ただし、調乳後すぐに冷水で冷やして5℃以下にすること)
  • 冷蔵のミルクを温める時間は15分以内にすること(長く温めすぎると細菌が増殖する)
  • 70℃以上で調乳すると、少しビタミンは失われるけど、栄養価はあまり変わらないという実験データもある

っていうことはちゃんと書いてあったよ。5℃以下、24時間以内っていうのは細菌学的な話だから、日本のミルクだろうがアメリカのミルクだろうが、衛生的に作られたものなら問題ないはずだ。うちもミルクの作り置きやってみようかなぁ。

1リットルくらいミルクまとめて作って、冷蔵庫に入れておいて、哺乳瓶に小分けしながら1日かけて使うなら、完全ミルクの育児も快適かもね。便利な作りおきミルクの作り方、書いたからリンク貼っておくね↓ 

kirinshimauma.hatenablog.com

 

それとなんなら哺乳瓶の消毒だって不要らしいよ↓。

 

kirinshimauma.hatenablog.com

 

母乳の保存のこともついでに書いておく

母乳の保存期間の根拠もついでに書いておく。1記事にまとまってたほうがわかりやすいかなと思って。

こちらは搾乳機とか作ってる大手メーカーのメデラ社のホームページが詳しい。

ちゃんと日本語の説明も、参考文献も明記してある。

メデラ社のページより表を引用させてもらうね。

 

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https://www.medela.jp/breastfeeding/mums-journey/storing-and-thawing-breast-milk#referenceより

ちゃんと元文献も辿れるようになってるよ。

2 Eglash,A., Simon,L., & The Academy of Breastfeeding Medicine. ABM clinical protocol #8: human milk storage information for home use for full-term infants, revised 2017.Breastfeed Med 12, (2017).

3 Human Milk Banking Association of North America. 2011 Best practice for expressing, storing and handling human milk in hospitals, homes, and child care settings.(HMBANA, Fort Worth, 2011).

 

おわり。

【関連記事】

 (粉ミルク)

kirinshimauma.hatenablog.com

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 (母乳)

kirinshimauma.hatenablog.com

 

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